生きていくこと
タイトルだけを見るとネガティブな感じがするかもしれない
けれど、内容は安易に自殺を誘発するものではない、と思う。
生きていくためにも自分の死に際を設定する、という作者の
考えかたは何となく分かるような気がする。
ネット上で青酸カリの販売を行ったドクター・キリコの例を
とってみても思うのだが、死に対する考え方やスタンスは人
それぞれであるから、一方的にマイナス思考が良くない、という
ように断定すべき問題ではないように感じる。そこにはいろいろ
な状況や立場が存在するように思う。
本文もいいが、原一男氏の解説も感慨深い。
生きていることを感じる本
この本を読むと自殺もいいかな、と思ってしまいます。けれど同時に今自分が生きているという実感を強く強く持ちます。 いつでも死ぬことができるから今生きているのだ、という感覚は とても新鮮でした。あえて生を選ぶ、という考え方は 生きる力を強めてくれます。 「自殺」というタイトルのこの本は、実は生きることについて 書かれているようにも思います。 自分の力が弱っている時にはおすすめの本です。
小説家の先見
著者の自殺への肯定的態度がなぜなのか、を考えることは重要だと思う。近年の自殺者数の増大に危機感を覚えて、うつ病対策等が言われているが、疑問に思う言説も多い。それは「生きる」ことを「生命の維持」としてのみ捉える精神科医や評論家が多すぎるからである。彼等とは異なり、著者は、生に死を接近させるような仕方で「生きる」ことを提示している。著者の身を燃やすような生き方は、「完全自殺マニュアル」と同様に非難されることがあるかもしれないが、自殺してしまう程に生き難い人々にとっては、僅かな光をもたらしているのではないかと思う。
考えさせられます
柳さんの体験に基づいて、全編、自殺について書かれています。生きることに、あまりに生真面目な柳さんの感受性が光ります。それと同時に、高校生たちとの掛け合いもあり、こういった感性が特別なものではなく、共有されたものであるとわかります。テーマがテーマだけに、読んでいて、だんだんしんどくなるし、読んだあとも、心に重たいものが残ります。でも、これだけ、生きることをつきつめて考えている人もいるのだなと感服せざるを得ません。生きていくことは難しいのかもしれません。たまには、人生について振り返ってみるのにいいかもしれません。
そろそろ「生きる」定義を自分自身で決める時期では?。
「自殺」がいけない事だといつから思うようになった?。 知らず知らず自分は「自殺はいけないという宗教」の信者になっていたの かもしれない。「信者」になるって事は「その事について考えなくてもい い」って事。 一度くらい全く逆の立場から「思考」してみてもいいのでは?。 僕等は「生」という行き先も終点が不明瞭な「列車」に揺られる「乗客」 なのだから。 それが「自然」なことなのなら「自ら命を断つ」という「不自然」な立場 からどの「駅」で「列車」を降りるのか、考えてみてもいいんじゃないだ ろうか。「ただの信者」から「思慮深い信者」位には出世できるかもしれ ない。 抜け目のない文章で読者を翻弄しているだけの本ではなく、絶えず筆者の 考えにうなずいたり、反癡?を覚えながらあっという間に読み終えてしまっ た。私個人の死生観を切磋琢磨してくれる本だった。
文藝春秋
命 (新潮文庫) 生(いきる) 魂 男 (新潮文庫) 水辺のゆりかご (角川文庫)
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